エンジニアに限った話ではありませんが、フリーランスとして働く場合、労働基準法が適用されないという点には注意が必要です。労働基準法が適用される労働者であれば、企業から不当な扱いを受けた際には、労働基準法の保護を受けることができますが、フリーランスの場合は依頼先の企業から不当の扱いを受けても労働基準法では保護されません。
しかしながら、もしフリーランスであるのに労働者と同じ時間同じ場所で働くことを求められたり、仕事のやり方などに指揮命令を受けたりしている場合は、労働基準法の適用となるケースもあるので、その点はしっかりと押さえておいて不当な扱いを受けた際には自衛できるようにしておきましょう。
また、フリーランスは企業とのパワーバランス的にも弱者となりがちで不当な扱いを受けやすい立場にあります。不利な条件での契約を強要したり、仕事のやり直しを求めたり、報酬の支払いが遅れたりといったことも起こりえます。これらを未然に防ぐためにもフリーランスを保護してくれる法律について理解を深めておくことが大切です。
フリーランスを保護する法律には、「独占禁止法」や「下請法」といったものがあります。先ほど挙げたパワーバランスを背景に弱者であるフリーランスに無理強いさせることを「優越地位の濫用」と言いますが、「独占禁止法」や「下請法」はこの「優越地位の濫用」を禁止する法律なのです。エンジニアとして非常に優秀だったとしてもフリーランスという立場上、不当な扱いを受ける場面があるかもしれませんので、どういった法律がどういう場面でフリーランスの立場を守ってくれるのかを把握しておくことがとても大切です。継続して健全な仕事をしていくために労働基準法についてきちんと知ることから始めると良いでしょう。